伝統と革新が交差する、チェン・シンの「四角か円」

東西の文化をつなぐ、一脚の椅子の物語

この椅子の最も興味深い特徴は、テンションによって一体化され、個々の部品に分解できることです。そして、それらを再配置して柳琴の形状を再現することが可能です。このデザインは、機能性と美学の両方を満たすだけでなく、全ての部品が分解可能なため、持ち運びも容易です。

「四角か円」は、チェリー、ウォルナット、繊維ロープ、ハードウェアを使用して作られています。接着剤、釘、ネジを使わずに、椅子の各部品（座面、背もたれ、脚、ストレッチャー）が組み合わされています。さらに、テンションを利用したロープで一体化されています。

このデザインの目的は、家具に対する新たな視点を提供し、人々が異なる文化伝統を探求するきっかけを作ることです。中国の色彩である中国赤や、中国の伝統的な哲学から取り入れた陰陽の円など、中国の要素を取り入れています。

このデザインの最大の挑戦は、一つのデザインが椅子の形状と柳琴の形状の両方に適合することでした。しかし、チェン・シンは、接着剤やネジを使わずに個々の部品を組み合わせ、テンションを利用したロープで一体化するという新たな家具の構築方法を生み出しました。さらに、家具を個々の部品に分解し、新たな文化的イメージを再構築するという新たな表現方法も創出しました。

このデザインは、2020年にA'ファインアートとアートインスタレーションデザイン賞のアイアン賞を受賞しています。この賞は、プロフェッショナルで産業要件を満たすように設計され、実用的で革新的な作品に授与されます。業界のベストプラクティスと優れた技術特性を統合し、満足感とポジティブな感情を提供し、より良い世界に貢献する作品に対して評価されます。